クルトニン(Kuerdening-World Natural Heritage(庫爾徳寧))
— 雪をかぶった山々のトウヒが緑の谷を飾り、青い空と白い雲がキャンバスに織り込まれています。






基本情報
アドレス:新疆ウイグル自治区 イリ・カザフ自治州 トックズタラ県
観光地レベル:4A
オススメレベリング:
観光地カテゴリ:|国家級自然保護区|国家級森林公園|国家級エコツーリズム示範区|
オススメの観光シーズン:|春|夏|秋|
特色ラベル:|エコツーリズム|写真撮影|
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クルトニン地域(庫爾徳寧片区)
クルトニンはトックズタラ県(鞏留県)東部の山の中に位置しており、県城から86キロメートル離れています。ここは走向が南北の広い山谷であり、底部の平均標高は1500メートルであり、長さが14キロメートル、幅広い所は1キロメートルまでも達します。クルトニンは世界でスチェレンストウヒの大木がもっとも集中的に分布している地域であり、中央アジアの野生果実森の重要な一部として、野生のリンゴ、くるみ、西洋スモモも集中生息している地域でもあり、前述した植物の起源地とも思われています。クルトニンは2000年4月に「西天山国家自然保護区」として設立され、2005年に『中国国家地理』雑誌に「中国で一番麗しい森林」と評され、そして2012年10月には中国の観光地等級AAAAと指定されました。
過ぎ去る秋の紅葉は燃えゆく炎、巡り来た春は野花が山を咲き誇る。ここは観光者が探検するべき別天地でありながら、画家やカメラマン達の楽園と閃きの源泉でもあります。クルトニン地域の主な観光スポットは烏鴉嶺、荷蒼峡谷滝、テケカラガイ(提克喀拉尕依)樹海、カバンバイ峰(喀班巴依峰)、紅樺林、クルトニン大草原などです。
烏鴉嶺仙人壁はチャプチ海(恰甫其海)東側の河原に位置しており、北側が密林に覆われた大ギルガラン(吉爾尕郎)河に隣接し、路南森林を通り抜けると、奇々怪々、多種多様な奇石が視えます。一番大きい像がまるで仙人が方角を指さしているような姿を呈し、「烏鴉嶺仙人壁」という名はここに由来します。荷蒼大橋を渡り、荷蒼峡谷の山道つづら折りを少し走行する行くと、滝の谷口にとたどり着きます。高さが30メートル以上の断崖絶壁から、幅3~4メートルの一筋の流水が激しく飛び散っています。これこそ荷蒼峡谷滝の真の姿です。
テケカラガイ樹海は広い山谷の南側に位置しており、名前はカザフ語で「力強くそそり立つトウヒの木」を意味しています。壁のように切り立つ山坂をトウヒがよじり登り、そそり立っています。強い風が過ぎ去った途端、嗚咽のような波の声が葉に奏でられ、息を呑むほどの樹海の絶景でした。標高4257メートルのカバンバイ峰はイリ・カザフ(伊犁哈薩克)の有名な峰であり、シラネアザミが群生し、他にはユキヒョウやアルガリなど希少な動物も生息しており、探検者なら誰も憧れる錦地でしょう。
紅樺林区の長さは1キロメートルぐらいであり、幅は狭いところが10メートルであり、広いところが数十メートルまで達します。樹齢はほぼ百年を超えており、樺が曲げたり空高くそびえ立ったりしておりまばらなところがありますが、蔓に絡みつけ、牛や馬までも通れないほど密集しているところもあります。低木の下は苺、ラズベリー、キノコが所々に生え、いくら拾っても拾いきれません。さらさらと流れる川が森を一周し、水流が激しい所での観光や釣り活動は風流で貴重な体験になります。クルトニン大草原は花が咲き誇り、牛と羊がうごめき、駆け回る馬の群れも見られます。まさに「風吹草低見牛羊(風吹かれ草の隙間から牛羊が覗かせます)」に当たる美景に心が惹かれます。遠く眺めると、雪峰が地平線の彼方でキラキラと多彩な光を放ちます。日暮れ時には、夕焼けが空を覆い、森林をもその色彩に満遍なく塗り替えます。
タリム地域(塔里木片区)
タリム地域と隣のカラジュン地域は一つの尾根により分け隔られています。面積3.3ヘクタールのタリム区域は緑豊かであり、針葉樹林と照葉樹林が混じり合い生えており、天山北側の殆どの品種がここに取り揃えてあります。黒スグリ、ラズベリー、野苺、キノコなど様々な山の幸があちこちに生え、他にも高価な魚や有名な食用きのこ「羊肚菌(アミガサタケ)」を産出します。タリム区域の主な観光スポットは聆濤閣、晨暮松濤、月液溪流、大小天鵝湖、情人樹などです。
チャシ区域(恰西片区)
チャシ区域は珍しい避暑名勝地であり、絵画や撮影の楽園でもあります。トックズタラ県東南部の山に位置しており、県城から72キロメートル離れています。チャシは天山山脈の峡谷にある盆地なので、東・西側の山は垣のように低く、東側が緑豊かであり、西側には松が青々と茂っています。角峰が山の頂上にそびえ立ち、その隙間に氷山が姿をのぞかせます。
チャシ区域は2004年に国家林業局により国立森林公園と登録されました。主に燕子橋、十二同胞樹、巨蛙望天山、石門垂柳などの観光スポットを持っています。その雄大さに潜む秀麗さに昔から「恰西山水美如画」(チャシの山水風景は絵のように美しい)と評判され、数多くの名士達が書法や絵を残してくれています。青空が山の雪に映され、緑豊かな山に水に、芳しい花の香りと鳥の囀り声も加え、恰もメルヘンの世界に入ったかのように儚いから、ここは当地の牧民に「アウリア」と呼ばれています。「アウリア」は「天国」を意味する単語です。