トムール峰(托木爾峰)国家級自然保護区
新疆トムール峰国家級自然保護区はアクス地区温宿県に位置し、森林生態システム自然保護区に所属しています。23.76万平方キロメートルの総面積を持ち、2003年に国家級自然保護区と登録され、豊かな生物資源と地質的遺存を有しています。
トムール峰は超大型山岳氷河の集中地であり、世界でユキヒョウの分布がもっとも集中している地域です。トムール山岳氷河区は氷河作用の影響が強い地域であり、天山山脈一だけでなく、世界範囲でも有名な山岳氷河区です。中国の数少ない高山地域保護区として、氷河、自然地理、干ばつ区野生動植物とその生息状況など、様々な分野で莫大な研究的価値があります。トムール峰は中国天山山脈の最高峰であり、7435.3メートルの標高を持ちながら、周囲に標高が6800メートルに達する山が5つで、6000メートル以上の峰も15座あります。トムール峰の自然景観は麗しく、年中白雪に覆われ、雲がかかり、自然が作った入神な奇景と言えます。地区内の標高は4200メートル以上に達し、雪は溶けることなく、角峰、雪稜、圏谷、U字谷などの氷食地貌が極めて発達しています。現代の氷河はトムール峰を中心に放射状で坂が流れ、南西側にはトムール氷河、東南側は東・西瓊台蘭氷河があり、北方面はハン・テングリ氷河と南イネリチェク(伊内里切克)氷河があります。長さ60.8キロメートルのハン・テングリ氷河はこの中で最も長く、世界八大山岳氷河の一つです。
トムール大峡谷
トムール大峡谷は天山山脈南・北側の褶曲及び断裂造山帯の中で最も大きく、最も美学的価値の高い紅層(red bed)峡谷景観、天山山脈峡谷地貌の典型的な代表例として、2011年に国家地質公園と認定されました。ここは中国ひいては世界にたった一つのオチク(奥奇克)ひょうたん状岩塩ドームダイアピル構造なので非常に珍しく、新疆の「生きる地質変遷史博物館」とも言えます。峡谷としての妙を擁しながら、天山山脈奇景の長所も兼ね備え、古来の趣を一身に収め、神々しさ・奇妙さ・険しさ・雄大さ・古さ・幽静さを一つに集めています。観光探検用区域は長さが5キロメートル、幅が6キロメートルで、総面積が30平方キロメートルです。
大峡谷の両側は峰々がそびえ立っており、赤茶色を基調に、萌葱やベージュ、クリーム色などが入り混じり、雨上がりはもっと彩り鮮やかになります。谷に入り約1000メートル歩くと峡谷は8つの大支谷に分かれ、長さが違う小支谷の数は千を超えており、どちらもまったく異なるスタイルを持っています。地貌が長々と進化する中、ここの地層は豪雨洪水や強い風食作用により色彩がまだら、形も様々になっています。
峡谷に入り視界が広かったり鬱々と狭かったりしながら、紆余曲折な景色が陰に陽に潜め、峰々が次々とそびえ立ち、非常に気迫があります。下記の詩歌も、トムールの美しさを評しています。
《冰川林立似璞玉》楊選興 | 《冰川林立似璞玉》楊選興 |
原文 | 通訳 |
雪峰嵯峨蓝天艳,云雾缭绕高山凉。 | 雪峰が険しく青空があざやかで、ゆらゆらと立ちのぼる雲霧に涼ました山 |
冰川耸立似璞玉,道路曲折如羊肠。 | 氷河は荒玉のようにそびえ立ち、道は羊のはらわたのように曲がりくねる |
银龙腾飞闹空谷,晶凤翩舞惊朝阳。 | 銀色の飛竜が空谷を暴れ、キラキラ光る鳳は朝日を驚かす |
气势磅礴若沧海,色彩璀璨像汪洋。 | 気迫は海のように盛んで、色彩は洋々と眩く輝ける |